近い将来、日本の多くの企業では、既存のITシステムが老朽化することで、事業のさらなる拡大、企業の成長が妨げられる「2025年の崖」と呼ばれる問題が生じると警告されています。
これを回避するため、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)への取り組みを始めています。
経済産業省も2018年に、日本企業がDXを進める動きを加速すべく、「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」を発表しました。
しかし現状では、DXに取り組み始めたものの成果が感じられないという企業が多いようです。
学習や言語の理解、予測、問題解決など、人間にしかできないと考えられていた知的な行動の一部を、コンピュータで再現する技術のことです。
車や家電など、これまでインターネットに接続されていなかった「モノ」をインターネットにつないでモノの状態や人間の行動などの情報を収集・分析し
得られたデータを活用することで、新たなサービスを生み出す技術です。
「5th Generation」の略で「第5世代移動通信システム」のことです。現在使われている4Gから5Gになることで、通信速度が約20倍(4Gとの比較においての想定倍率)になり
10倍の端末への同時接続が可能になると言われています。端末の同時多接続ができるようになれば、IoT化が加速する可能性があります。
移動先や外出先で通信できる技術のこと。一般的には「モバイル」というと、スマートフォンや携帯電話、タブレット型PCといったモバイル端末を指す場合が多いかもしれませんが
DXにおいてはそれらモバイル端末を活用してビジネス活動を行うことを指します。
多くの企業において、すでに既存システムは老朽化し、技術面でも機能面でも限界を迎えつつあります。
ブラックボックス化しているケースも少なくありません。このような既存システムの状態が、DXを進める上で足かせとなっています。
また、事業部門ごとにそれぞれが最適と判断した異なるシステムを使ってきたために、企業全体でのデータ管理や連携ができず
DXが思うように進められないというケースもあります。また、特定のベンダ(メーカ)の独自の技術に依存したシステムを導入した結果
後から他ベンダのサービス、システムに乗り換えにくくなってしまう「ベンダーロックイン」という現象も問題になっているのです。
日本企業のIT関連予算の8割は、現行ビジネスの維持・運営に充てられています。つまり多くの企業では現状維持が精一杯で
システムの刷新や新たなIT戦略に資金を充てることができていないのです。
AIやIoTといった最新のデジタル技術に詳しい人材や、デジタル技術を生かした新たな事業・サービスを企画できる人材が必要です。
しかし多くの企業では、自社での人材育成が遅れている上に、社外から確保することも困難という厳しい状況です。